「……それだけ?」

「いや…お前今日、倉庫に来い」

「本気で言ってるのか、蒼?」


私より先に間髪いれずに言葉を挟む塁の顔は僅に険しい。


「…俺の勝手だろ…」

「ふざけるな、蓮南ちゃんの事しっかり考えてんのか?」


塁の少し苛立った声に部屋は、しーんっと静まり返り何やら異様な空気が張り詰める。


(あっ…そういうことね…)


ぼんやりとしながら考えればまぁ、塁の言うことは正しい。


私は一般人と思われているのに、それが族の倉庫に出入りする所を見られれば私は恰好の獲物…まあ狙われたりする。


狙われたら狙われたで海炎の皆が出てくるからそれはそれでまずいけど…どっちにせよ面倒なんだよねー……