月夜の泪







マンションの前に止めてある黒塗りの車に乗り込む今日の任務の場所、クランホテルへと向かう。



「あれ?煙草変えたのか?」

「うん、これ好きだし」


一本取りだし窓を開け白い煙を吐く。


暫く立てばクランホテルの前につき車を駐車場へ入れ依頼人の泊まる部屋まで向かう。


「…204号室、ここだな」


軽くノックをし入れば部屋に通される。


「今日は護衛の依頼をうけました紫白(シハク)です」

「同じく、藍揮(アキ)です」


任務の時はなるべく正体がわからないような名前にするようボスからの命令。


「頼もしいよ、じゃあ今日は頼んだよ」


やはり俳優なだけありまた違うオーラのある人はそれだけ言い安堵したように微笑む。


「では、パーティーに行きましょう」

「ああ…そうだね」


浬津が話すのをぼんやり眺めながらも部屋を出るのに続き会場へと向かう。