月夜の泪







家につけば鍵が開いているのに気付き少しほっとしながらも家に入る。



(……来てるんだ…)


この気配…あの人しかいない…っ



「…ボス」


リビングで気ままにコーヒーを啜るのは金髪に緑の目をした端正な顔立ちの男。
ボス――相渡 劉(アイト リュウ)。


「おっ、おかえり。今から仕事だろ?もうすぐで浬津も来る」


「わかった…支度しなきゃなぁ…」


それだけ言いのそのそとクローゼットまで行き制服を脱ぎ任務用の服に着替える。


確か今日はパーティーの護衛だったよね…んー…ドレスかスーツ…どうしよ。


「ねえボスー…」

「んぁー?……服着ろよ」


下着のままスーツとドレスを持ちリビングに行けば軽く溜息をつかれるが慣れたのか服を見て考え出すボス。