月夜の泪







「…私、帰るからっ」


やばいな、仕事なのに…浬津に叩かれなきゃいいけどなあー……


扉に向かえばまたガシッと腕を掴まれるが視線だけ移せばやっぱり蒼の姿。


「離して」

「…無理だと言ったら?」


無理…?所詮全国一が偉そうに…


「…どうするの…?」


強い…多分こいつは強い…っ
ぶるっと体が歓喜で震える。

殺りあいたい…けど今は時間ないしな…


「…残念だなぁ…」


ぼそりと呟き思い切り鳩尾を蹴り少し怯んだ隙に扉から出ていく。


少し強くやりすぎたかな…んまぁ、平気だよね…不可抗力だし…


走ってバイク置き場まで行け勢い良くバイクを飛ばし一旦マンションへと帰る。