海炎の皆も知ってるし洋君も翔君も勿論知ってるけど…心配するから大雅にしか言わないようにしてる。
大雅は海炎に入った時の一番初めにできた友達…だから何でも話すように言われてる。
心配させたくないけど言わないで黙って仕事をしたらきっと大雅は傷つくから…だったら私は言う。
「……心配かけてばっか…」
今さらながらそう感じれば自分の不甲斐なさに渇いた笑みを溢す。
中庭に戻ると未だに辰樹の姿があり少し驚きながらも木に上る。
「…蓮…お前、ちょっと着いてきて」
「…蓮南で良いよ」
少し可笑しくて僅に頬を緩めれば恥ずかしかったのか顔を背ける辰樹。
「…じゃあ着いてきて」
ひょいっと降りた辰樹に続きのんびりと着いていけば校舎の中に入り"第三準備室"と書かれた教室の前て止まる。
ガチャッッとドアを開け入る辰樹に続き入ればそこは準備室とはかけ離れた綺麗な場所。
何個かあるうちの一つのソファーに腰かければ「ほら」と言われ差し出されたココアを受けとる。

