「…誰だ、お前」
「転校生」
それだけ言ってまた瞼を閉じようとした時男が木の方へ近付いてきた。
「…何してる」
「日向ぼっこ」
短く答えれば男もそれきり何も言わないが木に上り始めた。
あっという間にすぐ近くの枝まで来て何故かじっとこっちを見据えてくる。
「……何か用?」
近くで見れば端正な顔立ちの男だが、表情は無表情でにこりともしない。
「お前…俺を知らないのか?」
「……どっかで会ったことあるっけ?」
会った事あっても覚えてないけど…
記憶を探るがやはり思い出せずそのまま男の返答を待ち黙りこむ。

