月夜の泪






「…ねえ、授業サボるから」

「え?あぁ、わかった。じゃあまた」



それだけ言い大雅と別れると行き先も決めずただ、ぷらぷらと一人散策する。


ちらりと視界に入ったのは中庭。
日向ぼっこ…したいな。


すぐに中庭に出れば誰もいなくぐるりと一回周囲を見渡してから丁度いい木の上に上る。


寝っ転がり瞼を閉じれば心地好く直ぐにうとうとしかけた時。


ガサガサ―…ッッ


何やら音がしチラリと視線だけ動かせばそこにはオレンジ頭の男の姿。


ただぼうっと眺めていると不意にぱちりと目があう。