月夜の泪





「……洋君っ」


もやもやした気持ちのまま、バイクを走らせやっと洋君の家に着いた。


「来たか、これ見てくれ」

「……全部…?」

「ああ…」



先程、遊園地にいる時に洋君から言われた言葉。


『――克の足取りが掴めた』


そしてパソコンを見せられれば克のいる黒蛇の傘下などが表記されている。


………半端ではない数の傘下。

海炎とも同じくらいの人数……いや、下手したらそれ以上かもしれない。


「……まだ増え続けてるの?」

「…今は大分止まってきたな」

「……もうすぐ克が来るはず…」

「ああ、俺らも準備しねえとな」


そこまで言い煙草を取りだし火をつける。

幸せは、長くは続かないもの。
幸せと感じればすぐに壊れてしまう。


「……私、これで終わりにするから」

「………ああ、皆いるからな」


ぽつりと呟いた言葉に洋君は少し表情を歪めてから優しく呟いた。


これで終わりにする。
きっと、きっと出きるはず。


どこからかは分からないけど、絶対的な信頼がそんなことを確信させるんだと思う。