「ソウさん?」 「さん、要らない」 「ソウ…」 「ん」 この人あたし以上に無口かもしれない いや、無口だ そんな事を考えているとソウの視線がヴァイオリンに向いていた 「みる?」 ソウに尋ねると顔をこちらに戻した 何も言わないけど僅かに頷いていたのがわかった 「これ、父のヴァイオリン」 ゆっくりとケースを開けて中から取り出す 「ストラディバディか?」 「!? よく知ってるね」 「持ってるからな」