「じゃあ、」
「あの日ジュエリーショップに行ったのは尚くんの恋人・萌さんの誕生日プレゼントを選ぶのに付き合わされたから。
お寿司屋さんは尚くんからのお礼。
まあ、ご飯はよく食べに行くし、
送り迎えもよくしてくれるから珍しいことじゃないよ。」
「………」
樹さんはなにも言わず困惑と罪悪感を混ぜたような表情をしていた。
どうして罪悪感なんて出てくるんだろう?
「で、ソウには言い寄ったことなんてない。
これで納得できた?」
「…ああ。」
よかった。
あたしはともかく尚くんを二股男だなんて言われるのは嫌だからね。
「…すみませんでした。」
「…なにが?」
「…訳も知らなかったのに…。」
「ああ、いいよ別に。」
分かってくれるんならもう何でもいい。

