「ちっ」
そんな樹さんはソウの有無も言わせないオーラに居心地悪そうにソファーに座りなおした
「マリ」
あたしの方まで戻ってきたソウがおもむろにあたしの頭に手を置いた。
伝わる温度が心地よくついすり寄ってしまいそうになる。
「樹と居ろ。
何があったかは聞かねえが、その分今日は俺と一緒に居てくれ。」
いつもの優しい声色で言うソウの発言に2重に驚いた。
ひとつはあたしに何かあったことに気づいていたこと。
まあ、ピアノの前で泣いていたんだから気付くのは当然なんだけど…
二つ目は言い方。
まさか居てくれだなんてお願いされるとは思わなかった。
「…うん。分かった。」

