「ああ。行くぞ。」
みんなが出ていくような雰囲気だったのであたしも帰る支度をしようとした。
「マリ」
けど、ソウに止められた。
「何。」
「待っとけ。すぐ戻ってくる。
樹、マリと一緒に居ろ。」
「え?」「は?」
あたしと樹さんの声が重なった。
そりゃそうだろう。
なんてったってさっき悪い雰囲気になったばかりだ。
「ちょっと奏!」
勢いよく奏に駆け寄った樹さん
「マリはお前の思うような女じゃない。
自分で見極めろ。」
なんのことだかさっぱり。
でも、やっぱり樹さんの中のあたしの印象は悪いらしいことは分かった。

