「きゃーこれ可愛い!

これとかまりちゃんに似合いそうだよ」


「ありがとう」



お店に入って30分

さっきから小春はずっとこの調子だ



「小春、まだ?」


「んーよしっ!
決まった」


ほっ


と心の中で安堵のため息をついた




「はい!
これまりちゃんの」


「え?
あたし買ってないよ」


「うちからのプレゼント
仲良くなって初デートの記念に」


「…でも悪いよ」


お金とか高そうだし…


「うちにはこれ着れないから
貰ってもらわなきゃ困っちゃうよ

だから、ね?」


うっ…

「…わかった

ありがとう」


「どういたしまして」


やっと折れたあたしに満面の笑みの小春

でも―


「その代わり夕飯は驕らせて」


小春だけっていうのは嫌だしね