初めてつけるヘルメットになんだかちょっとだけ違和感はあるものの
いまはとやかく言える雰囲気ではなく

ソウも何も言わずにあたしを持ち上げた


「って!
ちょっと、何してるの?」


あたしも何体を任せているんだ


「何って、乗れねぇだろ?」


確かにこんなに大きなバイク一人で乗れないだろうけど…


そう思っているとソウはヒラリと華麗に乗ってあたしの腕をおもむろにつかむと自分の腰に巻きつけた


「しっかり捕まってろよ」


ソウはバイクを鳴らしエンジンをあっためるとゆっくり進みだした



初めてバイクに乗ったけど、乗り心地は最高だった

心地いい風が頬をなでて、景色もどんどん変わっていく



「気持ちいい…」


そんな言葉が思わず出てしまうほど。









20分くらい経っただろうか


男の人が2人、外に立っているバーの前にバイクを停めた


「此処は?」


「龍桜会のたまり場」


「へ?」


龍桜会って…


「あたしがそんなとこに入っていいの?」


「ああ」


いいんだ

いや、でも本当にいいのか?