「篠崎じゃん。なんでここに?」


それはこっちの台詞だよ! と頭の中で毒づきながら、さり気なく牛乳を持った手を後ろにやる。

でも、時すでに遅かった。


「なんで牛乳なんか持ってるの? 篠崎、牛乳好きなの?」

「あんたに関係ないでしょ」

「いや…なんとなく、好奇心と言うか…」

「好奇心ぐらいでなんであたしの後をつけてんのよ」


ーー出会った時からあたしは、もう松下とすれ違っていたけど、松下はそれくらいで諦めるやつじゃないようで、ずっとついてきていた。