「あー、今日篠崎、遅刻してきただろ? その時のーー」
ニコニコしながら朝の一件を話そうとする松下を、あたしは鋭く睨んだ。
しかし、残念ながらこちらを見ようとしないから、従ってあたしの視線に気づかない。
「篠崎の髪が凄かったんだよ。爆発してた」
あああ…。
松下は結構クラスの中心的存在だから良いやつかと思いきや、やはり人は自分の目で見て判断しないといけないんだな。
こいつの名前なんか最低野郎で充分だ。
わざわざ休み時間にこっちに来て、人の恥ずかしい醜態を喋るとは。
男ならそこは見てない振りで忘れるべきよ!
