中野さんとお弁当を食べてから、あたし達は仲良くなった。
ーーいや、前言撤回。
仲が良いというか、中野さんが休み時間毎にあたしのところにちょこちょこついて来るようになった。
あたしはあんまりテレビとか見ないし、雑誌も読まない。
加えて相槌も素っ気ないから、自然に会話は底をつく。
でも中野さんは懲りずにいつもやってくる。
「篠崎さん、わたしたち、少しは仲良くなったかな?」
「ーーまあ、そうなんじゃない?」
「じゃあさ、篠崎さんのこと、みーちゃんって呼んでいい?」
突然の突拍子もない質問。
あたしはしばらく絶句した。
「なんで?」
「だって篠崎さんの下の名前、瑞希でしょ? 可愛いなって思って」
「…いやでもあたしには似合わないし」
「似合うよ。名前も篠崎さんも可愛い」
ーーなんで恥ずかしい言葉をサラッと言えるんだろう、この子は。
なんとなく、この子がみんなに好かれる理由がわかった気がする。
