片思い中

「その友達、よっぽどあなたのことが好きなんだね。あなたも、その友達のことが本当に大切なんだ。いいなあ」
 何気なく言った私の言葉に、彼がぴくりと反応する。あ、と私が小さく声を上げる。
 ――私、何かまずいこと言った? もしかして、……好きってことバレた?
 私があたふたしていると、彼は何か考え事をしている顔から突然我に返った様な顔になり、前を向いた。
「まあ、な」
 彼は薄く笑って、ゆっくりと静かに息を吐いた。空気が白く染まり、すぐに戻る。コーヒーの香り。
 ――表情が曇った……?
 私も、彼から視線を外し、前を向いた。
 ――友達……じゃ、ないんだ。
 私の缶コーヒーを握り締める両手に、力が加わる。