「あぁ゛~…」



俺はベッドに寝転がって漫画を読んでいる最中だった。


華穂が変な声でうめきながら数学と戦っていた。


もちろん、授業中だから。


キスしたくなっても我慢している。


今までに授業中にキスした事はない。


帰りはあるけど。



「頑張れ受験生」


「………助けてよ」



涙目で助けを訴えてくる華穂。

可愛いよ?可愛いけどさ?


その問題、やり始めてからまだ1分だから。



「ん~……」



と言いながら、漫画から目を離す気はない。