「なに。辞めんの?」 とにかく苛々してた俺は、更に苛々した。 「うん。だってあたしが先生好きとかおかしいじゃん。だからもういい」 華穂は俺の顔なんか見向きもせずスラスラと話す。 ……すっげぇ苛々してきた。 「わかった。じゃあな」 そう言って俺は部屋を出た。 さっき停めたばかりの車にエンジンをかける。 「………ありえねぇ」 車を発進させようとした時、電話がかかった。 【着信中 朱梨さん】 「………はい」