「家、誰も帰って来ねぇの?」 部屋に紅茶を持って行くと、先生がテレビをつけていた。 「うん。温泉旅行だって。晩ご飯も作んなきゃ」 「マジで?作れんの?」 「料理得意だから」 「俺にも作ってよ」 「え?」 普通の会話が、急に方向転換したからびっくりした。 あたしが、先生に? 「2人で食おうよ。華穂も1人で食うのいやだろ」