不意に彼が右膝を立て、こちらに向き直った。私は驚き、え、と小さく声を上げた。
目を閉じる間も無く、彼の唇が私の唇に触れる。
乾いた感触と冷めたぬくもりが私へと伝わり、やがてそれは全身に広がっていった。まるで、初めてキスをしたときの様な、ぎこちない感覚だった。
彼は、体全身を使って覆い被さる様に抱きしめてきた。何度も唇を重ねようとした。私はそれを手で制す。
「……したくないの?」
寂しそうに目を細める彼の問いに、首を横に振った。
「そうじゃない。そうじゃないの」
――彼を傷つけてしまったかもしれない。
代わりに彼の頬や首筋に、音を立てて何度も口づけをした。彼が、くすぐったそうに笑う。その笑顔と、心の底からわき上がってくる安心感が、私を心地良くさせた。
目を閉じる間も無く、彼の唇が私の唇に触れる。
乾いた感触と冷めたぬくもりが私へと伝わり、やがてそれは全身に広がっていった。まるで、初めてキスをしたときの様な、ぎこちない感覚だった。
彼は、体全身を使って覆い被さる様に抱きしめてきた。何度も唇を重ねようとした。私はそれを手で制す。
「……したくないの?」
寂しそうに目を細める彼の問いに、首を横に振った。
「そうじゃない。そうじゃないの」
――彼を傷つけてしまったかもしれない。
代わりに彼の頬や首筋に、音を立てて何度も口づけをした。彼が、くすぐったそうに笑う。その笑顔と、心の底からわき上がってくる安心感が、私を心地良くさせた。



