顔を出して覗いてみると、さっきまで笑顔だった達哉はいなくて、あたしが見たのは悲しそうな表情をした達哉だった。


「電話もメールもいっぱいする。あたしからも、会いに行くから。ちゃんと、大好きだからねっ」


自分でも、途中から何を言っているのか分からなくなった。でも、会えている内に伝えておかなくちゃ、きっと不安は消えないままだから。

進み始めた車。

ポタリと、涙が零れた。

少しずつ遠ざかっていく。あたしはずっと、達哉を見つめていた。


ふと、達哉の口が動く。声は聞こえない。


口の動きを見たとき、やっぱり涙が零れた。ポタポタと、止まる気配がない。


「バカ…っ」

ありがとね、達哉。



"あ い し て る"

ちゃんと、伝わったから。