「保証するって…、そんな簡単に言っちゃっていいのー? もし別れたら向井君恨むからね」
向井君は、きっともう分かってるんだ。
あたしがどうするか、決めていることを。
「いいんだって。俺、自信あるし。恨まれたって構わねぇよ」
そんな自信、どこから来るんだろう。
そもそも、向井君自身のことじゃなくて、あたしと達哉のことなのに。
「ふふっ。ありがと、向井君」
向井君と話してたら、何かちょっと気分が楽になっちゃった。
ほんとに、向井君にはいつも助けられてばっかり…
「どういたしまして。」
授業が始まりそうだったから、お互いに自然と自分のクラスへと向かう。
「……広田ー」
少し歩いたところで、向井君の声に再び振り返る。
「何ー?」
「遠くに行ってもさ、俺はお前の相談相手だから。いつでも連絡してこいよ」
少し驚いたけど、嬉しかった。まさか、向井君がそんなこと言ってくれるなんて。
「うん、ありがとう」
再び教室の方向へと歩き始めた。
……うん、決めた。
もう迷わない。