もっと、違う答えがあった。

あれは俺の答えじゃないんだよ。


だから…

お願いだから

俺のことを好きでいてくれ。


「寒いね……」


消えそうなほどに、小さな声で、舞子がポツリとそう言った。


「ほんと、寒いよなー」


そうだ、クリスマス。

まだクリスマスがあった。


「舞子、クリスマスどうする? 行きたいとことか、ある?」


もしも舞子が遠くに行くなら、クリスマスは引っ越しの前日だから、暇じゃないかもしれない。


「今日は遊園地に連れてきてもらったんだし、クリスマスは達哉が行きたいとこがいいな」

俺が行きたいとこ、か。


「じゃあ、考えとく」


とは言ったものの、どうすっかなー。

クリスマスデートって、舞子とは始めてだしさ。


それに、もしかしたらもう当分デートなんか出来ないかもしれないし。


「ねぇ」


「何?」

あぁ、もう少し遠くの遊園地に行けばよかった。そしたら、一緒に居られる時間がもっとあったのに。