ガキな俺が出した答え。

舞子を傷付ける、最低な答え。


「夜景、綺麗だな……」


こう言うのが精一杯で、舞子の方なんて見れなかった。夜景を見ているはずなのに、見ている気がしなくて。


「うん、そうだね…」

心なしか、舞子の声が震えているように感じた。

これも全部、俺のせい。


変に喋らない方がいいのかもしれない。今、何て言えばいいのかも分からないし。

もうすぐ観覧車が、一周を回りきってしまう。降りたら、いつもみたいに話せるかな?


つーか、話さなきゃな。いつもみたいに。


沈黙が続く観覧車内。

すぐそこに、サンタの帽子を被った女の人がいる。さっきもあったけど。


短かったな、時間。

楽しかったからか?


何でもいいけど、もう少し一緒にいられたらな。って、俺は毎日思ってるけど。


―ガチャ…


観覧車の扉が開いた。


「足元に注意して降りてくださいね。」


俺が先に降りて、舞子に手を差し出した。それを、何の抵抗もなく握る舞子。


大きな時計台の前で立ち止まって時間を見ると、もうすぐ閉園の時間だった。


「舞子、帰ろっか」


「うん」


あからさまに落ち込んでいる舞子。

そんな姿を見ていると、"俺が間違えたのか"と思ってしまう。