自分で言うのもなんだけど、あたしは達哉に溺愛されてる。"好きだ"と言われなくても態度で分かってしまう。


「今日、夜電話する」

「今話してるのに電話もするのー?達哉話すことないのに電話してくるじゃん。」


毎日のことだけど、夜電話してくるのは達哉の方から。大した話題もないのに。


「ダメなの?」

少しムッとしたような表情で言う達哉。ダメじゃないけど、大して楽しくもない電話を続けてもね……

「別に、いいけど」


そう言えば、ニッと笑ってあたしの手をつかんだ。背は低いくせに、手は大きくてガッチリしている。

まぁ、喧嘩を頻繁にやってるせいってのもあるんだろうけど。


「あたしと電話してて楽しい?」

何か、よく分かんないけど。達哉みたいなのを、世間一般では"重い"と言うのかもしれない。

「楽しいよ。でも、舞子が楽しくないなら今日はやめとこうかなー」


いや、違うか。
意外とさっぱりしてるし。

「あたしも楽しいから、大丈夫だよ。早めに電話してきてね、寝ちゃうかもしれないから」


あたしに対してあまり怒らないし。あ、でも嫉妬はしてたな。結構頻繁に。

あのときは怖かった。あたしと話してた男子に、急に殴りかかるんだもん。ビックリした。


今はあたしの友達には手を出さないって約束してくれてるから、大丈夫だけど。