キラキラと輝く夜景。
達哉の真剣な表情。
何も、こんな雰囲気いいとこで言わなくてもね。
「俺が気づかねぇわけねぇだろ」
当たり前みたいに言ってるけど、あたしは隠してるつもりだったんだよ?
バレないように。
掃除時間の時なんて、あんなにパニクってたのにな。
やっぱり、達哉には敵わない。
「言えよ。全部、俺がきいてやるから」
ふと窓の外から目を離して達哉を見ると、バッチリ目が合った。
まるで、全部気づいているかのような目。
多分達哉は、あたしに話をしてほしいだなんて、考えてない。むしろ、聞きたくないんだ。
もう少しで頂上。
より一層輝いて見える夜景に、目が眩んだ。
「達哉……」
いつまでも、黙ってらんない。