「おはよ」


あたしのことに関しては敏感な達哉。少しでも落ち込んでいる素振りを見せれば、すぐに気づかれてしまうだろう。


「昨日ちゃんと寝た?」


ドキッと、心臓が波打った。もしかして、バレた?

「な、んで?」


平然を装って、そう問いかけると、返事は意外にも簡単なものだった。


「いや、眠そうだったからさー。」

何だ、そんなこと。


それでも、あたしの小さな変化に気づいた達哉は、やっぱりあたしのことよく見てるんだなー…


「遊園地が楽しみで寝れなかっただけだよ。あ、でも全然元気だから大丈夫。」


「そっか。無理すんなよ、遊園地は別の日でもいいし」


別の日…か…

その別の日が、来るのか分からないのに。もしかしたら、最後のデートになるかもしれないのに。


「大丈夫、遊園地行こ」


「そうだな。じゃあ、学校終わったら教室まで迎えに行く」