「ふはっ……舞子顔赤いよ(笑)」
達哉の方を見れないけど、どうやら笑っているみたいだ。全く、誰のためにあんな恥ずかしいことを言ったと思ってんのよ。
「うるさいバカ達哉。もう二度と言ってやんないんだから」
「えー、ごめんって。悪かったよ、ちょっとからかっただけ。」
そう言うと達哉は立ち上がって、伸びをした。横から見えた表情はご機嫌以外の何物でもない。
「スッキリしたー」
あたしも、スッキリしたけどさ。
立ち上がろうとしたとき、目の前に手が差し出された。素直にそれを握ると、グッと引き寄せられる。
「わっ…」
そのまま、達哉にぶつかるかたちで、抱きついてしまった。けど、達哉はそれを受け止めてくれる。
「舞子、久しぶりにちゅーしよっか」
いつか聞いたセリフ。あのときと同じだよ。わざわざ聞くなんて、ズルいんだよ。
「わざわざ聞かないでよ…」
それを肯定と受け取ったのか、達哉はあたしの肩に腕を置いた。
近い、近いよ顔が!



