Foolish boyfriend~5年前の約束~


「ふはっ……舞子顔赤いよ(笑)」


達哉の方を見れないけど、どうやら笑っているみたいだ。全く、誰のためにあんな恥ずかしいことを言ったと思ってんのよ。


「うるさいバカ達哉。もう二度と言ってやんないんだから」


「えー、ごめんって。悪かったよ、ちょっとからかっただけ。」


そう言うと達哉は立ち上がって、伸びをした。横から見えた表情はご機嫌以外の何物でもない。


「スッキリしたー」

あたしも、スッキリしたけどさ。


立ち上がろうとしたとき、目の前に手が差し出された。素直にそれを握ると、グッと引き寄せられる。


「わっ…」


そのまま、達哉にぶつかるかたちで、抱きついてしまった。けど、達哉はそれを受け止めてくれる。


「舞子、久しぶりにちゅーしよっか」


いつか聞いたセリフ。あのときと同じだよ。わざわざ聞くなんて、ズルいんだよ。


「わざわざ聞かないでよ…」


それを肯定と受け取ったのか、達哉はあたしの肩に腕を置いた。


近い、近いよ顔が!