Foolish boyfriend~5年前の約束~


「…はぁー……そんなこと気にして、あんな態度とってたの?」


ため息をつくと、白い息が空に上がっていく。達哉の方からも、白い息が上がっていた。


「そんなことって……まぁ、そうだけどさー…。もともと、舞子って俺のこと好きな感じしなかったから。せめて嫌われないようにって、考えてたらあんな態度に……」


あたしにも、原因があったんだ。確かに、達哉が好きってことは態度に出してなかったなー…


不安だったのかな…?

今回のあたしと同じように、相手の気持ちが分からないと、不安なんだ。いつも達哉は分かりやすかったから、不安になったことはなかったけど。


達哉、ほんとはいつも、不安だったのかもしれないよね。


「ほんとに…バカだなー…。そもそも、告ったのはあたしだったじゃない。あたしは好きじゃない人と付き合ったりしないし、達哉のことはめんどくさいとは思うけど、嫌いじゃないよ。」


「あ、俺ってめんどくさいんだ…」


最近まで気づかなかったけど、あたしは達哉が好きみたい。今更って感じだけどね。

好きじゃなきゃ、とっくに振ってるはずだし。あの態度には傷ついたのは、達哉のことを想ってるから。


「大丈夫だよ、ちゃんと達哉のこと好きだから。分かりにくいかもしれないけど、不安にならないで。」


前を向いたまま言ったけど、きっとあたし今、顔赤いんだろうな。