ピッタリと机に顔を引っ付けて、ドアの方を見ていると、不意にガラッと音を立ててドアが開いた。


「「あ……」」


そのドアを開けた人物と、声がハモる。だけど、バッチリ合った目はすぐさまに逸らされた。


「お、そくなってわりぃ…」


そんなあからさまに逸らされるとね、さすがのあたしも傷つくよ。


「……うん、大丈夫。あ、チャイム鳴りそうだからあたしもう教室に戻るね。」


達哉の横を通って、目も合わせずにすれ違った。あたし今、きっと涙目だから、目合わせらんないや。

そんなあたしを、達哉が引き留めることはなかった。やっぱり、いつもとは違う。


「バカ達哉」


零れそうになった涙を、グッとこらえて歩き出す。