「広田、この間あったS高の文化祭行ったんだろ?そのときに広田のことを知ったらしい。」


確かに行った。S高には中学の時の友達が通ってるから、久しぶりに会いに行ったのだ。

そのときに…


「S高の神崎…か」


ドカッとその辺にあったイスに座って、足を組んでいる達哉からは、威圧感が凄かった。


「変なことするのやめてよ、達哉。ただメール来てただけだし、あたしも返信したことないんだから。」


「少なくとも舞子に好意持ってんのは分かんだろ。」


あぁ、もう。S高の文化祭なんか行かなきゃよかった……

いや、違う。あたしのアドレスを誰かが神崎に教えたからこんなことになったんだ。


「落ち着けよ達哉。ただメールしてきただけだろ。広田も返信してねぇんだから、いいじゃねぇか」


向井君がなだめるものの、一度怒った達哉を落ち着かせるのは無理に等しい。

この前の中学生のときだって、あたしが達哉をとめられたのは奇跡に近いんだから。


「舞子、俺言ったよな。舞子に手出したら、俺そいつ殺す…って。」


たしかに言っていた。

改めて聞くと、やっぱり怖い。ってゆうか、あり得ない。これはあたしの責任じゃないのに。


「だからっ、知らないんだってばっ! 手出されたわけでも、告られたわけでもないんだよ!?」