「ちょっと、1回退いて…」


「ヤダ」


「ヤダ」と言った達哉の低い声が、何故かさっきよりも近くで感じる。


「何で……ひゃっ!」


首筋に、生暖かい感触。

背筋がゾワッとして、体がビクッてなった。


「ちょ、待って…!」


首筋にチクッと痛みを感じる。久しぶりに感じたその感触。きっと今あたしの首筋には、赤い印が付いてるんだろうな…


「ダメ。もう待たない」


その言葉に、思わず達哉の方に向き直った。

それをいいことに、達哉はあたしとバッチリ目を合わせたかと思うと、悪戯っ子のようにニッと笑った。


「久しぶりに、ヤっとく?」


その後は、あたしの返事なんて聞く気がないみたいで、何の躊躇もなくキスをした。

ヤっとく?なんて聞くんなら、あたしの返事も聞きなさいよ。


息をつく間もないくらいに、舌を絡めとられる。クリスマス以来の激しいキスに、酸欠になりそうだった。


唇を吸われて、チュッと音がした。


「やだ、も……っ……ちょ、待って…!」


だんだんと効いてきたクーラー。

効いているのに、ジワッと汗が出る。


お腹をツーッと撫でる感覚に、ビクッと体が震えた。