「…………」

「えっ、ちょっ…何その「コイツバカだろ」みたいな視線!!」

「いや、まぁ…うん。なんか本当めんどくさいなってさ…」

「酷いっ!!」


呆れた視線を莎羅に向けた後盛大に溜め息をついた。
隣にいるヤヨイはキョトンとしており紫苑は困った顔をした。


「とりあえず!!莎羅に説明するからしっかり聞けよ!!」

「あい…」


――…

―――…


――――…










「えぇ!?じゃ、じゃあここは異世界なの!?」

「まぁ、そうなるかな」

一通り説明し終わると莎羅は慌てたように辺りを見渡した。
紫苑はそんな莎羅を見て、またもや溜め息をついた。


「大丈夫か?」

「え、あ…へ、平気平気」

本気で心配そうな顔をして顔を覗きこまれた為、多少たじろぐがすぐに苦笑いを溢した。
そして小さく息をつき、立ち上がった。


「まずここを出ようぜ?知りたいこと沢山あるしさ」

「うんうん!!私も知りたいことあるし!!」

「ああわかった。2、3日かかるが構わないか?」

「2、3日ぃ!?!?」

ヤヨイの発言に紫苑は身を乗り出した。
莎羅は口を開けたまま硬直してしまった。


「み、短くても1日半かかるんだが…」

「そ、そんなにも!?」

ショックを受けたのかオロオロと動き回り始めた。
紫苑は顎に手を当て暫く唸っていたが、小さく息をつくと莎羅の首根っこを掴んだ。


「わひゃっ!?な、何するの!?」

「ここはヤヨイについてこう。俺達はこの世界のことを何も知らないんだ。ヤヨイに少しずつ教えてもらうぞ」

そう言うと莎羅はあたかもめんどくさそうな顔をしていたが、紫苑の鋭い目付きに押し止まった。


「じゃあ頼めるかヤヨイ?」

「ああ、お前達さえよければ近くの街に連れて行く」

ちらりとヤヨイの方を見ると、地面に置いていたショルダーバッグを持ち立ち上がった。


「…ありがとう、ヤヨイ君!!」

「悪いな、ヤヨイ」

「構わない。ついでだしな」

ついでと言う言葉に小さく2人して首を傾げるが、先に行くヤヨイを見て同時に顔を見合わせた。
そして慌ててヤヨイを追いかけた。


「……うわぁ、変なのがいっぱいあるね」

「…だな」

見たことがない植物が辺りに沢山生えており、物珍しそうにキョロキョロと見渡した。