「おっはよー!!」

紫苑に一番早く挨拶したのは、赤神莎羅(アカガミサラ)
紫苑の一番の親友であり、クラスメイトだ。


「おはよ、朝から元気いっぱいだな」

「朝からクール過ぎるよー、もっと明るくいこうよ!!」

「お前は明るすぎ」

ペチッと頭を叩く紫苑を軽く膨れながら見ていたが、すぐに笑顔になった。
そして、紫苑もつられてクスクスて笑いだした。


「そうそう、朝さぁ変なメールが来たんだよね」

「変なメール…?」

「うん、ちょっと待ってね」

そう言うとゴソゴソと携帯を探し始めた。
紫苑はその様子を見ながら、朝来たメールのことを思い出していた。

``陸''

いったい何の意味があるのか、学校に来るまで色々考えたが何も思い浮かばなかった。


「あったあった…、コレなんだけどさ…」

「どれどれ…、……っ!?」

「?どうしたの?」

莎羅のメールには、朝紫苑の携帯に届いた文字が書かれていた。
``陸''、同じ大きさ同じ位置に書いてあるそれは気味が悪かった。


「……コレ…、俺の携帯にも来たんだよ…」

「嘘!?、私のは8:00に来たんだけど…」

「俺も8:00に来た」

「えぇー!?」

証拠にまだ消していなかったメールを見せた。
莎羅は、それを自分の携帯と見比べていた。


「お、同じ…な、なんで…っ!?」

「なんでって言われてもな…」

「ハッ…!!ま、まさか…悪戯メール…っ!?」

「それ以外ないだろ?」

莎羅の言葉を軽くスルーして、教室に入った。
そんな紫苑に続くように、莎羅も教室に入った。
丁度ほとんどの人が席に座っていて、タイミングがよかった。


「紫苑ー!!」

「ん?どうした?」

「あのメールの意味がわかったら、教えてねー!!」

「わかった」

莎羅の言葉にコクンと頷き、自分の席についた。
紫苑の様子を確認した後に、莎羅も自分の席に座った。
座った後、紫苑の頭の中は授業のことではなく朝に来たメールでいっぱいだった。


「(…あのメール…``陸''ってことはカウントダウンか…?)」

窓の外に視線を置き考えに更けていた。
こっそりと机の中から、携帯を取り出すとメールボックスを開いた。
そしてそのまま、朝に来たメールを開いた。