「お待たせ」
「長かったですね」
「ゆっくり入ってたから」
今はあんま見られたくない。
「どうかしました?」
「ううん、それより小柴君どっちで寝る?」
「俺は下で大丈夫ですよ」
「そっか。
じゃあもう電気消すね」
早く寝たらきっと明日には忘れてるよね。
「おやすみ」
「……」
ベットの側にあるランプをつけた瞬間
――――ガシッ
腕を掴まれた。
「なっ、何?」
「何でさっきからこっち見ないんですか」
「別にそんな事ないよ」
「じゃあこっち向いて下さいよ」
無理だよ…
「いや」
だって今振り向いたら
「水沢先輩…」
「見るなぁ…」
泣いてる事がバレちゃうから。
「何で泣いてるんですか?
俺のせいですか?」
「違う」

