「どうして…」
「手を繋いでいるだけなのにね。」
「うん…」
「ばか?」
「うん…?」
「ばかの心臓の音、こっちまで聞こえる。」
「えっ…」
「嘘だよ。でも…」

「あほ」が私の胸に手をあてた。


「すごくドキドキしてる。」
「あほは?」


私も彼の胸に手を当てる。


「ドキドキしてるね。」
「なんで?」
「変なの。」


「ばか……?」
「ん?」
「ぎゅーってしていい?」