『×××ーっ!』 私の名前だった。 「あほ」が私の名前を呼んだ。 いやいや…。 今は「あほ」がいるんだから、知らない人の名前だ。 だからすごく嬉しかったけど、振り向かなかった。 だって、振り向いたら、今まで一緒に過ごしてきた11年間が意味のないものになる気がしたから…。 「あほ」もそれを察したらしい。 「ばーかっ!!!」 「………。」 私は思いっきり息を吸って振り返った。 「あほーっ!!!」 そして私達は同時に言った。 「「またねっ。」」