『手紙書くね』 「あほ」は飛行機に乗る前に言った。 私は昨夜泣いたせいで、声がガラガラだったので一回うなづくだけだった。 『電話もするから。』 「あほ」が言って、私はガラガラの声で返した。 『いいよ。電話はいらない。国際電話はお金かかるだろうから。』 嘘をついた。 本当はすごく電話してほしかった。 でも声をきいたら、余計寂しくなっちゃうだろうから… 会いたくて会いたくてしょうがなくなっちゃうだろうから… だから断った。