「ごめんね。ばか。知ってたかもしれないけど、お父さんの仕事の都合でフランスに行くんだ。僕は反対したけど、どうしてもだめだったんだ。手紙書くから……。電話するから………。」


「あほ……。あほの馬鹿ぁ…」

「あはは…。意味分かんないよ。……もう…馬鹿なばか…。」

「あほだって同じようなこと言ってる………。」


涙が次から次へと落ちて

とまらなかった…。



いつもいつも「あほ」の前では弱さをかくしてきた。

強がって、強がって、傷ついて、笑った。