「うん……?」


否定でも肯定でもない答えをした。


彼には肯定の意にききとれたらしい。
だれもいない教室の真ん中で、私の両肩に手をおいて、それからうつむいたり、私を見つめたりを繰り返す。

その手が少し汗ばんでいる。


「はやく。」
「あ…うん。」



私がせかして、彼がそっと私を引き寄せた。
はじめは遠慮気味に、でもだんだん力をこめて、私を抱きしめた。


そして………