幻想館-眠り姫編-

お姫様は森の奥へ奥へと入って行きました。



その内、おつきの侍女ともはぐれてしまいました。



深き森の木々はざわめき、薄暗くなっていきます。



「どうしましょう・・・・・・迷子になってしまったわ・・・・・・」



お姫様は立ち止まり辺りを見回しました


「小鳥さんはいないし・・・・・・」



だんだん心細くなりそばにあった切り株の上に腰掛けました


途方に暮れているお姫様の側に、動物達が近寄って来ました



「お姫様、どうしたの?」



野ウサギが心配そうに顔を覗きこみました。



キツネやいたちが周りを取り囲んでいます。



「ありがとう・・・・・・
金色の小鳥を追いかけていたら、迷子になってしまったの」



動物達はお互いに顔を見合わせた。



「僕たちがいれば大丈夫だよ」



「森の出口まで案内するよ」


小鳥たちもそう言って励ましてくれました。



「さあ、暗くならないうちに、急ぎましょう!」



キツネが先頭に立ち道案内を始めました


お姫様は頼もしい動物達と一緒に、深い森を少しずつ抜けていきます。




その様子を遠くの木の上で見ている者がいました。



・・・・・・そうです、あの13番目の魔女でした。