暗く湿った階段を降りると、昇降口の前に男性が立っていた


如月さ・・・ん


「やあ、君も一緒だったのか・・・」


ウソ・・・私に嘘をついてる。


如月さんは常に私を尾行してたのよ

・・・尾行?

違う・・・急に姿を現したっていうほうが正解かも・・・・・・。


別の警官がミスズさんを連れて行ったのは、すぐだった。


「ミスズさん、お姉ちゃんはずっと親友だと思ってるから!」


ミスズはコクンと頷いた。

後ろ姿を見送りながら、少し気が抜けたような感じ。


「事件は解決しましたね」

如月さんの言葉に「別れ」という文字が浮かんだ。


「本当にありがとうございました」


「いえ、お礼を言うのは私達の方ですから事件の真相に行き着いたのは、あなたですからね」


その優しい言葉の響きに何度、癒やされてきたか・・・。


これで・・・サヨナラか・・・・・・


その時、如月さんの携帯が鳴った。


「ちょっと失礼・・・」


彼は少し離れた場所に立ち、電話の内容に頷いていた。


私は話が長くなるのかなと思い、その場から立ち去ろうと歩き始めた瞬間!


「待って!」


「えっ・・・?」


如月さんが歩み寄って来た。

穏やかな表情。


彼は私の手を取った

「お姉さんの意識が戻ったそうですよ」


それは思いがけない知らせとなった。