少し埃っぽい空気と湿っぽい空気が混じり合っている、そんな感じだった。


「窓をあけましょうか」


固くなっている窓の鍵を下に引いた。

ガラガラッ!


この校舎に新しい命を吹き込むように、気持ちのいい風は流れていく。


「この高校を選んだ理由って何ですか?」


ふいの質問に彼女は面食らっている。


「さっき、生徒会の人達に言われたんですここはいい高校だから受験してよって・・・正直言ってまだ決めてないけど、自信を持って言っていた彼らの熱意はよく伝わりました」

「私も・・・もっと話せば良かった・・・」


「どういう事ですか?」

「あの日・・・・・・私が思い続けていた人がマキに告白してたの・・・マキは嬉しそうな顔をしてた
私が彼を好きなのを知ってるのに!」


それって嫉妬・・・?

「マキはその事を知っていたのよ!」


それが最後の引き金を弾かせてしまったんだ・・・。


仲がいいから余計に気になってしまう存在。

それがお姉ちゃんだった。


きっとお姉ちゃんは自分を常に中心におきたくて、知らない間に周りから反感を買っていたんだね。


お姉ちゃんは、いつでも誰にでも、いい人でいたかった・・・・・・・。


「私・・・・・・私の勘違いで、取り返しのつかない事を・・・・・・」