口火をきったのは、彼女の方からだった

「いつかは、この場所に辿り着くと思った・・・・・・」


写真の中に写っていた、まさにあの生徒が目の前にいる。


「マキの妹さんだよね・・・・・・初めましてミスズです」


当たり前だと思うが自己紹介に笑顔はなかった。


ここで彼女の様子見をして、すきをついて責めたてる?


それとも彼女は、とぼけてしまうだろうか・・・・・・?



「いつか・・・・・・」


彼女は話し始めた。


「いつか、私の心は晴れるんじゃないかって・・・でも、違った・・・・・・その反対・・・」



彼女の表情が変わった。


「マキの存在は、私にとって重すぎて、それに大きすぎて・・・」


それって、後悔?


本当に・・・?


彼女の手が小刻みに震えている。



「姉が飛び降りた場所に行きませんか?」

「えっ!」


彼女は驚いていた。



別に意地悪で言ったのではない。



あの日の事を知りたいから・・・・・・。


彼女もコクンと頷いてくれた。


閉ざされた空間の中に入って行く。


静寂の中に響く靴音


私は怖くない。


これから明かされる真実の扉を開く事を・・・・・・。



ドアを開ける。


そこは小さな踊場になっている。


異様に大きい閉ざされた窓。



ここから・・・・・・。


私は空を見上げた。