姉が眠り姫の状態になって、一週間が経った。



如月さんから連絡はない。


放課後、すぐに高校へ向かった。


生徒会室に寄ると、いつものメンバーがいた。


「写真を返しに来ました。ありがとうございました」

私は頭を下げた。


「やっぱり、わかったんだ?」


「それで、どうするの?」


私はニコッと笑った
「勿論、会います。その人ばかりを責めている訳じゃないし・・・ただ、当事者同士でないと本当の所はわからないから」


「君、受験生だったよね。志望校がまだ決まってないなら、ここを受験してよ!
君にとったら嫌な事ばかりだったかもしれないけど」

「そうだね、僕達が言うのも何だけど、この高校は選んで良かったと思うよ」


「そうですね、考えてみます。ありがとうございました」


彼らの熱意って、どこからくるのだろうか?

私はそんな事を思いながら生徒会室を出て、例の西側の校舎に向かって歩いた。


あの日、姉の自殺を聞いて、警察の人と一度だけ訪れた場所

本当に生徒の姿はなく、今はひっそりとしている建物だった

上への階段を上がろうとした時、ひとりの生徒が歩いて来た

私はお辞儀をした。


その生徒は一瞬、立ち止まった。


シーンと静まり返った校舎に、二人の鼓動だけが響いているかのように、緊張感が漂った。