自殺する動機が見つからない以上、あとは学生達に聞き込みをするしかない。


如月さんはもう一度姉の部屋を見て回った。


約束の時間までは、まだ十分ある。

私はテーブルの上に置いてあった買い物のメモを、如月さんに渡そうと思った。


これは事件なんだから・・・


お姉ちゃんを死なせた人物がきっといる筈。


そう思う事で、私は強くなれるような感じがした。


眠っていた感覚が次第に研ぎ澄まされていくのを体で実感してきている。

それは姉を助けたい執念なのかもしれない。


それからしばらくして、如月さんは警察署に戻った。


三時すぎに高校の正門前で待ち合わせする事にした。


また、家の中は私ひとりになる。


お姉ちゃんの部屋に入ってみた。

机の引き出しを開けて見ると、懐かしい家族の写真が出てきた。


本当にあの頃は、みんな幸せだった・・・

どうして私達だけ、こんな目にあうのかな・・・・・・・


激しい憤りと深い悲しみが交錯していた


これからはお姉ちゃんが良くなるまで、私がしっかりしなくちゃ!


現実に目を向けて、前を向いて生きていかなければならなかった。


姉をただの自殺で終わらせない為に・・・・・