オルゴールの音は、それからは聞こえてきません。



オルゴールは私にとって大事な物。



「あなたは私達にとって大事な宝物。
あなたの為なら、全てに愛情を注ぐわ」



それは、優しい母の言葉。


ただ、それだけの事。




それって何かいけない事なの?





私は顔を背けていた画像を無意識のまま見つめていた。




13番目の魔女は、最初の森に仕掛けた罠以来、それからしばらくは平穏な日々が続いていた。


王様はお姫様を城の外に出すのだけを禁止した。



あのおふれから、町の者達の暮らしは余り良くなく、我が子の為とはいえ、信頼と尊敬の念は消える一方でした。



暴動でも起こされたら、たまったものではありません。


やはり王様は民の幸せを一番に考えなくてはいけないからです。



何も知らされていないお姫様にとっては退屈な毎日が続きました。



城の窓から見える景色は素晴らしいものでしたが、それも次第に見飽きてしまいました。


「もっと外の世界を知りたいのに・・・」