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「なぁなぁ、藤宮美緒(フジミヤミオ)って知ってる?」
秋人は少し興奮ぎみに俺に言ってくる。
ソイツって、確か男にめちゃくちゃ人気があるって噂の。
まぁ、興味はねぇがな。
「あ〜、あんな美人と付き合いてぇ」
「そーかい。勝手に言ってろ。」
秋人はこんな事しか考えられねぇのかよ。
そう思い、冷たくあしらった。
「何でこんな女の子にキョーミの無いヤツがモテるかなぁ」
「しらねーよ」
「悔しいわ〜」
俺の隣でブーブー言ってる秋人。
「あッ!噂をすれば!」
秋人の目線を追っていくと、そこには藤宮美緒とその友達らしきヤツがこっちの方向へ歩いてくる。
……あ、
藤宮美緒の隣にいるヤツって…
あの時、放課後で逢ったアイツだった。